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マイクロデータセンター選定時にチェックすべき重要ポイント

2026/02/26

マイクロデータセンター(Micro Data Center, MDC)とは、IT機器の稼働に不可欠なインフラ要素、すなわち「サーバーラック、冷却システム、無停電電源装置(UPS)、配電ユニット(PDU)、物理セキュリティ」のすべてを1つの筐体に統合した、自律型の小規模データセンター環境を指します。

従来のデータセンター運用では、空調設備や消火設備を備えた専用の「サーバールーム」や、堅牢な専用建屋を構築することが一般的でした。これに対し、マイクロデータセンターは「箱そのものがデータセンター」として機能します。筐体内部はIT機器の熱負荷に合わせた精密な温度管理が行われ、外部環境から物理的に遮断されています。このため、オフィスの一角や工場の生産現場、さらには厳しい気象条件下の屋外など、本来サーバーの設置に適さない場所においても、データセンター級の信頼性でIT資産を保護することが可能です。

マイクロデータセンターと従来型インフラの最大の違いは、「分散配置」と「即時性」にあります。

第一に、大規模データセンター(コロケーション等)と比較した場合、マイクロデータセンターは設置コストと工期を大幅に圧縮できます。数年を要する建屋構築に対し、MDCは工場でアッセンブルされた製品を搬入・据付するだけで、最短数週間での稼働開始が可能です。

第二に、クラウドコンピューティングとの比較においては「低遅延(低レイテンシ)」と「データ主権」の確保が際立ちます。クラウドは利便性に優れる一方、インターネット経由の通信による遅延や、継続的なデータ転送コスト、外部ストレージに重要機密を預けるセキュリティ上の懸念が常に付きまといます。マイクロデータセンターを現場(エッジ)に設置することで、膨大なデータを発生源の近くでリアルタイムに処理する「エッジコンピューティング」が可能となり、通信の切断時でも業務を継続できる「自律性」を担保できます。

このように、マイクロデータセンターは単なる「小型のサーバーラック」ではなく、IT戦略における「物理インフラのモジュール化」を実現する次世代のソリューションと言えます。

近年、激甚化する自然災害やサイバー攻撃に対し、企業の事業継続計画(BCP)の重要性は極めて高まっています。特にデータの喪失は生産ラインの停止に直結するため、確実なバックアップ環境の構築が不可欠です。

BCP対策としてクラウドが一般的ですが、製造現場には特有の課題があります。テラバイト級の膨大なデータをリストアする際、通信帯域の制約により復旧に数日から数週間を要するケースがあり、迅速な業務復旧を阻みます。また、広域災害時には公衆通信網自体が寸断され、クラウド上のデータにアクセスできなくなるリスクも無視できません。

マイクロデータセンター(MDC)が選ばれる決定的な理由は、メイン拠点とは物理的に異なる場所に「データのシェルター」を構築できる点にあります。建物内でのバックアップは、火災や倒壊時に同時被災する恐れがありますが、MDCを屋外の空きスペース等へ設置することで物理的分散を実現し、生存率を大幅に高めます。高耐候性筐体を採用すれば、膨大な建築コストをかけずに屋外でIT資産を保護できるため、MDCは日本におけるBCPの最適解として注目されています。

マイクロデータセンター(MDC)の選定において、内部に搭載するサーバーやストレージのスペック以上に重要となるのが、それらを保護する「ファシリティ性能」です。特に、従来の専用サーバールームとは異なる過酷な環境に設置する場合、以下の4つのポイントを技術的な視点から精査する必要があります。

まず確認すべきは、筐体自体の物理的な堅牢性です。屋外や工場の粉塵が舞う現場では、防水・防塵性能を示す「IP等級」のチェックが不可欠です。雨天や湿気、微細な塵から精密機器を守るためには、IP55以上の性能が推奨されます。また、日本国内での運用において「耐震性能」は極めて重要です。サーバーの重量負荷に耐えつつ、震度6強〜7クラスの地震が発生しても内部機器の破損や光ケーブルの断線を防ぐ構造的剛性と、アンカー固定の信頼性を確認してください。

サーバーは稼働中に膨大な熱を発します。MDCは密閉空間であるため、専用の冷却システムによる効率的な排熱が稼働率を左右します。選定時には、想定される最大IT負荷に対して十分な冷却能力(kW)があるか、また外気温の変化に左右されず内部温度を一定に保つ制御が可能かを評価します。さらに、結露によるショートを防ぐ除湿機能や、異常温度を検知した際の通報アラート機能の有無も、機器の長寿命化には欠かせません。

BCP対策として導入する以上、電源の信頼性は最優先事項です。落雷による瞬時電圧低下(瞬低)や停電からIT機器を守る「無停電電源装置(UPS)」の容量と、バッテリーの自律稼働時間を確認してください。また、より高い可用性を求める場合は、電源供給ルートを二重化する「電源冗長化」への対応可否も重要な判断基準となります。

管理者の目が届きにくい屋外やサテライト拠点に設置する場合、物理的なセキュリティ対策が必須です。電子錠によるアクセス管理や、衝撃を検知するセンサー、防犯カメラとの連携が求められます。加えて、現地に赴くことなくスマートフォンやPCから温湿度や稼働状況をリアルタイムで確認できる「遠隔監視システム」が統合されている製品を選ぶことで、運用工数を大幅に削減できます。

屋外設置型のマイクロデータセンター(MDC)は、建屋の制約を受けずにBCP対策を強化できる優れたソリューションですが、日本国内の過酷な屋外環境を考慮すると、その選定には細心の注意が必要です。単に「屋外対応」というカタログスペックだけで判断してしまうと、導入後に重大な故障を招く恐れがあります。

屋外設置において懸念となるのは、夏季の直射日光による内部温度の急上昇です。多くのマイクロデータセンターは海外設計をベースにしていますが、近年の日本の酷暑環境では、断熱性能や遮熱塗装が不十分な場合、内部温度がIT機器の許容範囲(一般的に35〜40℃程度)を容易に超え、熱暴走や寿命短縮を引き起こします。 また、梅雨時期や冬季の激しい温度差によって発生する「結露」は、精密基板のショートや腐食の主因となります。

「どこに置くか」という製品選定と同様に重要なのが、その下の「基礎」と「インフラ接続」の品質です。マイクロデータセンターはIT機器や冷却機、UPSを凝縮しているため、見た目以上に高荷重(数百kg〜数トン)となります。地震発生時の不等沈下や転倒を防ぐためには、土木・建築の知見に基づいた強固なコンクリート基礎工事が不可欠です。 さらに、屋外設置特有の課題として「雷サージ(落雷による異常電圧)」対策や、建物から屋外筐体までの配線ルート(埋設配管等)の防護、および防水処理、漏電対策など、電気通信工事の品質がシステムの可用性に直結します。ITベンダーの多くは製品仕様には精通していますが、こうした「屋外の土木・電気工事」という現場サイドのノウハウが不足していることが多く、施工品質が原因でトラブルに発展するケースが散見されます。製品そのものの堅牢性に加え、据付・施工までを一貫して設計できる体制があるかを精査することが、成功の鍵となります。

屋外設置型「マイクロデータセンター」のご紹介

株式会社ヤマウラが提供する「マイクロデータセンター」は、企業の大切なデータ(メインサーバー)をバックアップし、万が一の事態から守るための屋外設置型装置です。

【開発の背景と目的】 

予期せぬ災害やトラブルが発生した際、損害を極小化し、中核事業を速やかに復旧させるBCP(事業継続計画)対策が企業の急務となっています。本製品は、建物とは別の屋外に設置することで「物理的なリスク分散」を実現します。これにより、建物内のメインサーバーにトラブルが起きても、バックアップデータを安全に保護し、業務の継続とサプライチェーンの維持を支援します。

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一般的なITベンダーが提供するマイクロデータセンター(MDC)の多くは、オフィスや倉庫などの「屋内」での運用を前提として設計されています。しかし、真のBCP対策として物理的分散を実現するには、建物そのものの被災リスクを回避できる「屋外」への設置が最も効果的です。株式会社ヤマウラでは、長年のインフラ構築で培った高度な設計技術を投入し、過酷な環境下でも稼働し続ける「重工業基準」のマイクロデータセンターを提供しています。

企業がBCP(事業継続計画)を策定する最大の目的は、予期せぬ自然災害や事故において損害を最小限に抑え、中核事業を速やかに復旧させることにあります。従来のバックアップ体制では、同じ建物内にサーバーを設置しているケースが多く、火災や浸水時に同時被災するリスクが課題でした。 当社のマイクロデータセンターは、メインサーバーが設置されている建物とは別の場所に、物理的に離してサーバーを保管する「物理的分散」を可能にします。これにより、万が一メイン建屋にトラブルが発生しても、屋外の堅牢な筐体に守られたバックアップサーバーがデータの保護を継続。システムの迅速な復旧を物理層から支え、安定した業務継続を確実に実現します。

精密機器であるサーバーを屋外で安全に運用するため、当社はダム管理設備や発電所建設で培った耐環境ノウハウを製品に凝縮しています。 筐体は防水・防塵性能においてIP43相当の保護等級を確保しており、雨や埃の侵入を許しません。材質には、耐食性に優れたSUS(ステンレス)やSECC(電気亜鉛めっき鋼板)といった高耐久素材を採用。さらにアクリル焼付塗装を施すことで、厳しい気象条件や経年変化にも耐えうる強固な構造を実現しました。また、直射日光による温度上昇を防ぐ「遮熱板」の設置や、地震に備えた「耐震性能」の付加、さらには内部熱量に応じた「専用エアコン・熱交換器」を搭載することで、いかなる環境下でも精密機器に最適な動作温度を維持し続けます。

導入のしやすさもヤマウラのMDCの大きな特徴です。敷地内のわずかな空きスペースを有効活用できるよう非常にコンパクトに設計されており、自立タイプや装柱タイプなど、場所を選ばず設置することが可能です。 また、将来的な拡張を見据えた「モジュール化」を図っているため、必要最小限の構成でスモールスタートし、事業の成長やデータ量の増加に合わせて機能を段階的に追加していくことができます。大規模なサーバールームやデータセンターを新築するよりも、はるかに経済的かつスピーディーに、強固なバックアップ体制を整えることが可能です。

画一的なパッケージ製品とは異なり、お客様が使用するサーバーのサイズや設置場所の環境、運用ニーズに合わせて、柔軟にカスタマイズすることが可能です。 特に重要となる電源系統については、分電盤により2系統からの給電に対応させることで冗長性を確保。停電時には、ニーズに合わせて容量選択が可能なUPS(無停電電源装置)が稼働を支えます。外装についても、企業のコーポレートカラーや設置場所の景観に合わせた指定色での塗装に対応しており、産業インフラとしての機能性とデザイン性の両立を実現します。

物理的な盗難やいたずら、環境変化によるトラブルを防ぐための機能も充実しています。筐体には強固な鍵によるセキュリティ対策を施しており、重要データへの物理的なアクセスを厳重に制限します。 さらにオプションとして、筐体内の温度・湿度をリアルタイムで監視し、異常検知時にアラームで即座に通知するシステムを構築可能です。これらの稼働状態は外部からネットワーク経由で監視できるため、管理者が現場に赴くことなく、常に安全な状態を遠隔から把握し続けることができます。

本記事では、マイクロデータセンター(MDC)選定における重要ポイントとして、筐体の保護性能、温湿度管理、電源の冗長化、そして日本特有の過酷な屋外環境への耐候性について解説してまいりました。 災害大国である日本において、IT資産を確実に保護し、ダウンタイムを最小化するBCP対策を実現するためには、従来の「サーバールームへの集中」から、屋外筐体を活用した「物理的分散」へのパラダイムシフトが不可欠です。

当社では、マイクロデータセンターを企業様向けに提供しており、マイクロデータセンターで災害時、緊急時の業務継続と安定稼働を実現します。
ダム管理設備や発電設備で培われた、365日24時間体制の監視技術を応用し、屋外での過酷な環境下でも大切なサーバーを守り抜きます。お客様のニーズに合わせて、設置場所やサーバーサイズに応じたオーダーメイド設計が可能です。お気軽にご相談ください。

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