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ユーティリティ設備一覧 まとめ

2025/06/26

工場における生産活動は、製造機械やロボットといった直接的な生産設備によって行われていると認識されがちですが、その稼働を根底から支えているのが「ユーティリティ設備」です。工場においては生産に必要なエネルギーや環境を供給する補助的な設備群を指します。これらは、生産ラインが円滑に動き、製品が安定して生産されるために不可欠なインフラです。

ユーティリティ設備は、製造工程そのものには直接関与しませんが、生産設備がその機能を最大限に発揮できるよう、最適な稼働環境を整える役割を担っています。例えば、安定した電力供給がなければ精密機械は動作せず、適切な温度・湿度が保たれなければ製品品質が損なわれる可能性が生じます。

これらユーティリティ設備の安定稼働なくして、工場の生産性や品質を維持することは不可能であり、その健全な管理は工場運営における最重要課題の一つと言えます。

工場の安定稼働を支えるユーティリティ設備は多岐にわたりますが、ここでは特に重要度の高い主要な7種類の設備について、その機能と工場における役割を簡潔に解説します。これらの設備は、生産活動を円滑に進めるための基盤を形成しています。

1. 電気

工場内のあらゆる生産設備や照明、空調などの動力源となる最も基本的なユーティリティです。安定した電力供給は、工場の稼働に不可欠であり、電圧や周波数の安定性も重要となります。

  • 受変電設備
    電力会社からの高電圧を工場内で使用できる電圧に変換し、安定した電力供給を可能にする設備です。生産設備の故障防止や長寿命化に寄与します。
  • 配電盤・分電盤
    変電された電力を工場内の各設備へ適切に分配します。回路保護機能も備え、過負荷や短絡から設備を守る重要な役割を担います。
  • 無停電電源装置(UPS)
    瞬間的な停電や電圧変動時にも電力を供給し、生産ラインの停止やシステムダウン、データ損失を防ぎます。特に精密な制御を要する設備や連続稼働が必須なラインで重要です。

2. 冷却水

生産設備や製造プロセスにおいて発生する熱を除去し、適切な温度を維持するために使用される水です。設備のオーバーヒートを防ぎ、製品品質の安定化に貢献します。

  • 冷凍機・チラー
    冷水や冷媒を生成し、工場内の空調や生産設備の冷却、クリーンルームの温度・湿度管理に用いられます。精密な温度管理が必要な工程で重要な役割を果たします。
  • 冷却塔
    冷却水の熱を大気中に放散させ、冷却水を再利用可能にする設備です。これにより、水の消費量を抑えつつ、効率的な冷却を継続できます。

3. 工業用水

製造プロセスでの洗浄、冷却、希釈など、様々な用途で使用される水です。製品品質への影響を考慮し、純度管理が求められる場合もあります。

  • 給水設備
    工場内で使用する工業用水、上水、純水などを安定的に供給するシステムです。製造プロセス、冷却、洗浄、従業員の衛生など、多岐にわたる用途で利用されます。
  • 貯水タンク(残量監視対象)
    水を一時的に貯蔵し、水の供給不足や排水処理の遅延を防ぐ役割を持つ設備です。残量を適切に監視することで、安定した工場運営を支えます。

4. 空気

工場内の自動機や工具の動力源、製品の乾燥や搬送など、幅広い用途で利用される圧縮空気です。クリーンで乾燥した空気の供給が求められます。

  • コンプレッサー
    大気中の空気を圧縮し、高圧の圧縮空気を生成します。ロボット駆動、エア工具、自動搬送システムの動力など、多様な用途に利用され、工場全体の電力消費に大きく影響します。
  • エアドライヤー・フィルター
    圧縮空気中の水分や不純物を除去し、クリーンで乾燥した圧縮空気を供給します。これにより、空気圧で動作する設備の故障を防ぎ、製品の品質低下リスクを低減します。
  • エアタンク
    圧縮空気を一時的に貯蔵し、工場内の空気圧変動を吸収して安定供給を確保します。コンプレッサーの頻繁な起動停止を抑え、エネルギー効率を高める効果も期待できます。

5. ガス

都市ガスやLPガスなど、燃料としてボイラーや焼成炉、乾燥炉などで使用されます。安定供給と安全管理が極めて重要です。

  • 貯蔵タンク
    LPガスなどの燃料ガスを工場内で一時的に貯蔵するための設備です。安定した燃料供給を確保し、緊急時の備えとしても機能します。

6. 窒素

酸化防止や不活性雰囲気の形成、パージ(置換)などに用いられる工業ガスです。特定の製造プロセスにおいて、製品品質の維持や安全性の確保に不可欠な役割を果たします。

  • 外部ボンベ
    高圧ガスとして外部から供給される窒素を貯蔵・供給するための設備です。小規模な使用やバックアップ用途に適しています。
  • 自社窒素発生装置
    大気中の空気を分離して窒素を生成する装置です。安定した窒素の大量供給を可能にし、コスト削減や供給の安定化に貢献します。

7. 熱媒(熱移動を仲介する媒体)

高温の熱を製造プロセスに効率的に供給するために使用される媒体です。蒸気、熱油、高温水などがこれに該当し、直接火を使わずに安全に熱を移動させる役割を担います。

  • ボイラー
    蒸気を熱媒として利用する場合、その蒸気を生成する役割を担います。熱媒としての蒸気は、工場内の様々なプロセスで熱を効率的に供給します。
  • 熱交換器
    熱媒の熱を製品や別の媒体に伝えるための設備です。効率的な熱回収や温度制御に利用されます。

制御・監視エンジニアリングセンター. COMでは、さまざまな生産設備を接続し、工場の稼働状態を監視することで、生産効率の向上と問題の早期発見を目指します。工場全体の情報と技術を可視化し、スマートファクトリーの実現を支援します。

主な機能と特徴

重要設備の稼働時間、異常発生状況、点検周期、部品交換時期などを監視し、予防保全を促します。
画面イメージでは、設備の状態(稼働・停止、異常)、各設備の稼働時間、交換部品の残り寿命などが表示されています。

当日の生産計画に対する生産実績を把握し、生産状況の見える化と、計画と実績の乖離を管理します。
画面イメージでは、日々の生産計画と実績、稼働率の推移などが示されています。

さまざまな設備より必要な情報を収集し、稼働状況をデジタルデータとして管理します。
これにより、工場全体の稼働状況をリアルタイムで把握できます。
工場監視システムの構成要素:

システムは本社だけでなく、他拠点や遠隔地からも監視可能です。

タンク内温度・湿度、一定制御で管理:タンク内の環境を監視・制御します。
電流計センサーでタンク内残量を監視:タンク内の内容量を把握します。
カメラ監視でコンテナ内廃棄量を監視:コンテナの廃棄量を監視します。
機械設備の運転状況、異常検出:各設備の運転状況を監視し、異常を自動で検出します。
工場内生産・設備の見える化:工場内の生産ラインや設備の稼働状況を可視化します。
各ラインにおける生産量を把握:各生産ラインの生産量を詳細に把握します。
AIカメラで人物関止エリアを監視:AIを活用し、立ち入り禁止区域への侵入などを監視します。


データ管理

マイクロデータセンター:大切なデータを工場内でバックアップし、安定した運用をサポートします。
UPSによる電源管理:停電時にもシステムが稼働を継続できるよう、電源を管理します。

ヤマウラの工場監視システムは、小規模監視から大規模監視まで対応可能です。情報・機能を段階的に拡張することができ、必要な機能をカスタマイズできます。

STEP 1: 例)設備稼働・監視機能
STEP 2: 例)デマンド監視
STEP 3: 例)故障診断の監視

全体的なメリット

当社のシステムは、さまざまな生産設備と接続し、工場の稼働状態を監視することで、生産効率の向上と問題の早期発見を目指します。工場の見える化を促進し、問題の早期発見、稼働率の向上、予防保全の実現を通じて、生産効率と品質の向上に貢献します。貴社の工場をスマートファクトリーへと進化させるための具体的なソリューションにご興味をお持ちでしたら、ぜひ株式会社ヤマウラへご相談ください。専門のエンジニアが貴社の状況を詳細にヒアリングし、最適な技術相談、資料提供、あるいは具体的なシステム構築のご提案をさせていただきます。

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