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空調機器もユーティリティ設備に含まれる?

2025/06/26

工場における生産活動は、製造機械やロボットといった直接的な生産設備によって行われていると認識されがちですが、その稼働を根底から支えているのが「ユーティリティ設備」です。工場においては生産に必要なエネルギーや環境を供給する補助的な設備群を指します。これらは、生産ラインが円滑に動き、製品が安定して生産されるために不可欠なインフラです。

ユーティリティ設備とは、生産活動に直接関わる機械や装置とは異なり、工場全体の環境を整え、安定した生産を可能にするための補助的な設備群を指します。具体的には、電力供給のための受変電設備、工場内で使用される工業用水や純水、冷却水などの水処理設備、製品の加工や温度調整に用いられる蒸気・熱源設備、様々な自動機やツールの動力源となる圧縮空気供給設備、そして工場内の温度・湿度・清浄度を管理する空調設備などが含まれます。

これらユーティリティ設備の安定稼働なくして、工場の生産性や品質を維持することは不可能であり、その健全な管理は工場運営における最重要課題の一つと言えます。

空調設備は、快適な室内環境を維持したり、製品の温度管理を行ったりする重要な設備です。工場を支える不可欠な設備であり、ユーティリティ設備の中でも、重要な位置を占めています。空調設備は単に工場内の温度を快適に保つだけでなく、生産環境の維持と製品品質の確保においても不可欠です。

空調設備が重要視される主な理由は以下の通りです。

製品品質の維持

精密機器の製造現場やクリーンルームでは、温度や湿度のわずかな変動が製品の品質に直結します。半導体や医療品製造においては、空気中の微細な塵埃や温度・湿度の管理が製品の歩留まりや安全性に直接影響するため、高精度な空調管理が必須です。

従業員の生産性向上と快適性

過度な暑さや寒さは、作業員の集中力低下や疲労を招き、結果として作業効率の低下やミスの誘発につながる可能性があります。快適な作業環境は従業員のモチベーション維持にも貢献し、長期的な人材定着にもつながります。

さらに、空調設備は常に稼働するため、その消費電力は工場全体のエネルギーコストの大きな割合を占めます。そのため、空調設備の効率的な運用は、省エネルギーコスト削減の観点から非常に重要です。最新の制御技術や監視システムを導入することで、外気条件や工場内の状況に応じた最適な空調運転が可能となり、無駄なエネルギー消費を抑えつつ、必要な環境を維持できるようになります。このように、空調設備は、快適な作業環境の提供、製品品質の維持、そしてエネルギーコストの最適化という多岐にわたる側面から、工場の生産活動を根底で支える重要なユーティリティ設備として機能しているのです。

工場のユーティリティ設備、特に空調設備の最適化は喫緊の経営課題です。その理由は、空調が工場全体の生産性、品質、そしてコストに直結するからです。そして、この最適化を実現する上で、監視システムによる一元管理が極めて重要な役割を果たします。その背景にある主な要因は以下の通りです。

原油価格や電力料金の変動が続く中、工場運営において電力消費の大部分を占める空調設備は大きなコスト要因です。加えて、近年頻発する異常気象や記録的な高温は、夏季における空調負荷を一層増大させ、電力消費を押し上げています。季節や生産状況で変動する空調負荷に対し、高効率な設備導入に加え、監視システムでリアルタイムに負荷を把握し、デマンド制御などを自動化することが、エネルギーコスト削減と変動リスクへの対応に不可欠です

世界的な脱炭素化の流れの中で、工場はCO2排出量削減を求められています。ユーティリティ設備のエネルギー消費、特に空調設備は排出量に大きく影響します。監視システムを通じて空調設備のエネルギー使用量を「見える化」し、最適制御を行うことは、省エネ型空調の効果を最大化し、企業の社会的責任を果たす上で重要です。

ユーティリティ設備は工場全体のエネルギー消費量の大部分を占めることが多く、適切な管理、運用が必要です。

各設備のエネルギー消費量が正確に把握されていない場合、無駄な稼働や非効率な運転が行われていても、その実態を「見える化」できません。エネルギー消費の実態が不明瞭な状態では、どの設備から優先的に省エネ対策を進めるべきか、どのような施策が最も効果的かといった判断が困難です。データに基づかない省エネ活動は効果が限定的であるか、あるいは逆効果になるリスクさえあり、近年求められるCO2排出量削減などの環境規制遵守への障壁ともなります。

多くの工場で空調設備は老朽化が進み、エネルギー効率の低下や故障リスクが増大しています。空調トラブルは、製品品質への影響、従業員の作業効率低下、そして生産ライン停止など、甚大な損失に繋がりかねません。そのため、設備更新に加え、監視システムによる常時監視と予知保全への移行が、工場の安定稼働と生産性維持に極めて重要です。異常の兆候を早期に捉えることで、突発的なロスや高額な修繕費、製造ラインの機会損失を回避できます。

工場ユーティリティ設備の遠隔監視と制御は、工場運営の効率化と安定稼働に不可欠です。しかし、既製のシステムを導入するだけでは、お客様の工場が持つ固有の課題や複雑な設備構成に真に適合することは困難です。ヤマウラは、このようなお客様の具体的なニーズに対し、独自の強みと技術力でお応えし、設計から導入、運用までを一貫してサポートいたします。

多くのシステム提供者が既存のパッケージ製品を推奨する中、ヤマウラは、制御盤やシステムの設計・製造を自社内の電気設計部門で一貫して行います。この体制が、お客様の工場におけるユーティリティ設備の最適なシステム設計を可能にします。

工場内のユーティリティ設備は、その種類、規模、既存システム、運用形態など、各工場で大きく異なります。ヤマウラは、これらの個別具体的な状況を深く理解し、お客様の多様なご要望や複雑な連携要件に対し、設計から製造までを一貫して手掛けることで柔軟に対応します。これにより、お客様の工場に完全にフィットする、唯一無二のシステムを構築し、無駄なエネルギー消費の削減や設備稼働の最適化を推進、運用コストの継続的な低減と生産性の最大化に貢献します。


制御・監視エンジニアリングセンター.comでは、様々なセンサーを活用して制御・監視システムの設計をいたします。例としては、下記の様なセンサーを活用しております。

・人感センサー
・温度センサー
・圧力センサー
・濁度センサー
・振動センサー
・距離センサー
・音波センサー
・GPS(位置)センサー

上記は参考例ですが、このように多種多様なセンサーを取り扱っており、それぞれのセンサーの使い方に長けているのが当社の特徴です。

さらに当社では、独自のPLC活用方法を展開しています。一般的にはPLCを機器や設備の制御システムとして使いますが、当社では通信装置や監視装置としてもPLCを活用しています。このように、多種多様なセンサーやカメラなどの機器と、PLCによる制御、さらに機器とシステムの組み合わせ方や接続方法の提案力を元に、当社では積極的なIoT活用提案を行っております。

ヤマウラは、ダムや水力発電といったインフラ設備向けで培ってきた堅牢な制御監視システムの設計ノウハウを工場設備に応用することで、お客様の工場におけるユーティリティ設備の運用を強力に支援します。

監視カメラやセンサーを用いたIoT活用で遠隔制御・遠方監視に対応

ヤマウラは、監視カメラや各種センサーを用いたIoT活用により、工場内のユーティリティ設備を現場から離れて遠隔制御・遠方監視できる体制の構築を実現します。これにより、従来は作業者が常駐していた現場からでも、安全な場所から設備の状況をリアルタイムで把握し、必要に応じて遠隔操作を行うことが可能になります。


・モバイル端末を活用したモニタリング・遠方制御


制御・監視エンジニアリングセンター.comでは、では、モバイル端末を使用した各種設備のモニタリング・遠方制御も可能です。無線LAN(WiFi)を使用していますので周辺機器への悪影響もありません。

また当社ではタッチパネルのソフト製作にも対応しております。状態監視・履歴表示・定数設定等、PLCと組み合わせることでさまざまなニーズにお応えしております。

ヤマウラの工場監視システムは、お客様の現在のニーズやご予算に合わせて、情報や機能を段階的に追加できる拡張性も大きな特徴です。

  • STEP 1: 個別運転・監視機能
  • STEP 2: デマンド監視
  • STEP 3: 遠隔運転・監視機能

といった形で、必要な機能を必要なタイミングで導入・カスタマイズできます。これにより、無駄な投資を抑えつつ、着実に高機能なシステムへと進化させていくことが可能です。

こちらは、民間会社の新設発電所に納入した発電監視制御システムです。

取水状況、発電状況等を監視でき、現場には監視カメラも設置してあるため、運転員が同じPC上で現地の状況等についても監視することができます。

>>詳しくはこちら

トンネル遠方監視制御システム

電源設備やジェットファン、消火設備、防災設備、照明設備など、トンネル設備に関する様々な情報を一元管理するために、情報を最小限にして中央管理システムへ配信する監視システムです。トンネルの各種設備の他にも、交通量の把握をするためのセンサーから得られた情報も、すべて中央管理システムに配信されて一元管理されています。

>>詳しくはこちら

このように、ヤマウラは、制御設備の設計・製作から、総合監視システム設計、電気通信工事、保守メンテナンス・更新まで、全て一貫して対応することで、お客様の工場におけるユーティリティ設備の安定稼働と運用効率の最大化を強力に支援します。制御・監視関連のシステムや機器・設備については、設計から製造、据え付け、アフターサービスまで、丸ごとお任せいただけます。

工場全体のユーティリティ設備の制御監視を検討されている方は是非お気軽にご相談ください!

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