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設備遠隔監視とは?仕組みと監視できる設備、既存設備への後付け導入のポイントを解説

2026/09/24

設備遠隔監視とは?仕組みと監視できる設備、既存設備への後付け導入のポイントを解説

工場には、冷凍・冷蔵庫、空調、コンプレッサー、ボイラー、受変電設備など、止まると生産や品質に直結する設備が数多くあります。しかし人手不足が進むなか、これらの設備を定期巡回や目視で確認し続けることは年々難しくなっています。特に夜間・休日・大型連休など工場が無人になる時間帯は、設備の異常に気づくのが遅れ、製品の廃棄や生産停止といった大きな損失につながりかねません。

こうした課題を解決する手段として注目されているのが「設備遠隔監視」です。本記事では、設備遠隔監視の仕組みや監視できる設備、メリット・注意点、既存設備に後付けで導入する際のポイントを、食品工場での導入事例とあわせて解説します。

設備遠隔監視とは

設備の状態を離れた場所から把握し、異常を知らせる仕組み

設備遠隔監視とは、設備に取り付けたセンサーや設備が出力する信号をもとに、温度・圧力・電流・運転状態・故障などの情報をネットワーク経由で収集し、事務所のPCや外出先のスマートフォンから確認できるようにする仕組みです。あらかじめ設定した基準値を超えたり故障信号が出たりした場合には、担当者へ自動でアラートを通知します。

「現場に行かなければわからない」状態から、「どこにいても設備の状態がわかり、異常があれば知らせてくれる」状態へ変えることが、設備遠隔監視の目的です。

稼働監視・工場の遠隔監視との違い

似た言葉に「稼働監視」があります。稼働監視は設備が動いているか止まっているかを記録し、稼働率の向上やチョコ停対策など、生産性を高めることが主な目的です。一方、設備遠隔監視は設備の状態を見守り、異常を早く見つけて被害を防ぐ、いわば「守り」の役割が中心です。

また「工場の遠隔監視」は、生産ラインやエネルギー、安全管理まで含めた工場全体の見える化を指すことが多く、設備遠隔監視はその中でも個々の設備に焦点を当てた考え方といえます。工場全体の遠隔監視については「工場の遠隔監視システム導入ガイド」、稼働監視については「稼働監視とは?」の記事で詳しく解説しています。

設備遠隔監視の仕組み

設備遠隔監視システムは、大きく次の4つの要素で構成されます。

  1. 信号を取る(センサー・設備の出力信号)
    温度センサーや圧力センサー、電力計などを取り付けるほか、設備がもともと持っている故障信号や温度などの出力を取り出して利用します。
  2. 送る(ネットワーク)
    取得したデータを有線LAN・無線LAN・LTEなどで監視装置へ送ります。無線を活用すれば、配線工事を最小限に抑えられます。
  3. ためる(監視装置・データ蓄積)
    データを監視装置に集約し、時系列で記録します。記録したデータはグラフ化や帳票出力に活用できます。
  4. 知らせる(表示・通知)
    監視画面で現在の状態を表示し、異常時にはスマートフォンやメールへアラートを送ります。

ポイントは、必ずしも設備を買い替える必要はないという点です。多くの場合、既存設備から信号を取り出すことで、今ある設備のまま遠隔監視を始められます。

遠隔監視の対象になる主な設備と監視項目

工場で遠隔監視の対象となる代表的な設備と監視項目は、以下のとおりです。

設備 主な監視項目 監視しない場合のリスク
冷凍・冷蔵・解凍庫 庫内温度、故障信号、扉の開閉 温度異常による商品の廃棄、品質事故
空調設備 温度・湿度、室圧(差圧) 製品品質のばらつき、異物混入
コンプレッサー 吐出圧力、運転状態、電力 エア供給停止によるライン停止
ボイラー 圧力、温度、運転状態、故障信号 蒸気・温水の供給停止
受変電設備 電力、デマンド値、故障信号 停電、契約電力の超過
ポンプ・排水処理設備 水位、流量、運転状態 溢水、排水トラブル

どの設備を監視すべきかは、「止まったときの損失が大きい設備」「異常に気づくのが遅れやすい設備」から考えるのが基本です。

設備遠隔監視のメリット

  1. 無人の時間帯でも異常をすぐに発見できる
    夜間・休日・大型連休中でも、異常が発生した時点で担当者のスマートフォンに通知が届き、被害の拡大を防げます。
  2. 巡回・点検業務を省人化できる
    現場を回って温度計を確認・記録する作業を減らせます。設備確認のためだけに休日出勤する負担もなくなります。
  3. 記録を自動化し、品質管理に活かせる
    データが自動で残るため、手書き記録の手間や記入漏れを防げます。食品工場ではHACCPに沿った衛生管理の記録業務の負担軽減にもつながります。
  4. データの変化から予知保全につなげられる
    温度の上がり方や電流値の変化など、故障の予兆をデータで捉えられるようになり、計画的な保全が可能になります。
  5. 複数の建屋・拠点を一元管理できる
    離れた工場や建屋に分散した設備も、1つの画面でまとめて監視できます。

設備遠隔監視のデメリット・注意点

  1. 初期費用がかかる
    センサーや監視装置、ネットワーク工事などの初期投資が必要です。監視対象を絞って小さく始めることで費用を抑えられます。
  2. 通知の設計が重要になる
    基準値の設定が適切でないと誤報が増え、通知が軽視されるおそれがあります。「誰に」「どの条件で」知らせるかを事前に決めておくことが大切です。
  3. 通信トラブル・セキュリティへの備えが必要
    通信が途絶えた場合の検知や、外部からの不正アクセス対策を考慮したシステム設計が求められます。
  4. 既存設備との接続可否の確認が必要
    設備の年式やメーカーによって取り出せる信号が異なるため、現地調査で接続方法を確認する必要があります。

設備遠隔監視の導入を成功させる4つのポイント

1. 「止まると困る設備」から優先順位をつける

すべての設備を一度に監視する必要はありません。損失の大きさや異常の起きやすさから、監視すべき設備と項目を絞り込みましょう。

2. 設備は買い替えず、既存設備に後付けする

既存設備の信号を活用すれば、低コスト・短期間で導入できます。無線通信を組み合わせれば、配線工事も最小限で済みます。

3. スモールスタートで効果を確かめる

まずは1台・1エリアから始めて効果を確認し、監視対象を段階的に広げていくのが、失敗の少ない進め方です。

4. 通知ルールと保守体制を決めておく

アラートを受け取った後の対応手順や、システムの保守を誰が担うかまで決めておくことで、導入後も安定して運用できます。

導入事例:食品工場の解凍庫を遠隔監視

ここでは、食品メーカーの株式会社大成様が工場監視システム「Smart Mill」で解凍庫の遠隔監視を実現した事例をご紹介します。

導入前の課題

2つの工場に分散する6台の解凍庫を、人手による目視で管理していました。過去には大型連休中の無人の工場で解凍庫が故障し、連休明けに大量の商品を廃棄せざるを得ない事態も経験。休み明け前日の現場巡回も大きな負担となっていました。

対策

解凍庫を買い替えるのではなく、既存の6台から直接信号を取り出し、監視盤2台に集約。ワイヤレスゲートウェイの活用で配線工事を最小限に抑え、低コスト・短期間で構築しました。温度異常や故障信号を検知すると、スマートフォンへ即座にアラートを配信します。

導入後の効果

2工場・6台の解凍庫を「いつでも・どこでも」一括で監視できるようになり、夜間・休日・大型連休中でも自宅や外出先から異変を察知できる体制が整いました。休日出勤や巡回業務の手間も解消されています。

この仕組みは、冷凍庫・冷蔵庫・保管庫など、温度管理が欠かせない設備全般に応用できます。

>>事例の詳細はこちら

>>お客様の声(株式会社大成様)はこちら

設備遠隔監視はヤマウラの「Smart Mill」にお任せください

Smart Millは、株式会社ヤマウラが工場全体を最適管理するために開発した工場監視システムです。温度・湿度・電力・運転状態のリアルタイム監視から、データの収集・分析、異常時のアラート通知、遠隔操作まで、設備遠隔監視に必要な機能を工場ごとに最適な形で構築します。

インフラで培った「止まらない」監視技術

ダムや水力発電所など、365日24時間止めることが許されない設備の監視で培ったノウハウを工場に活かしています。

工場に合わせたオーダーメイド設計

既製パッケージに縛られず、設備構成や課題に合わせてシステムを設計。制御盤も自社で設計・製作します。

特定の設備から始められるスモールスタート

特定の設備やエリアから導入し、デマンド監視や空調管理、多拠点連携など、段階的に機能を拡張できます。

監視だけでなく「制御」まで対応

異常を知らせるだけでなく、遠隔操作や空調の自動制御など、設備の制御まで対応できるのが制御盤メーカーならではの強みです。

設計から工事・保守まで一貫対応

システム設計、制御盤製作、電気通信工事、アフターサービスまで自社で対応。20名以上の電気工事士が据付工事までフォローします。

制御・監視エンジニアリングセンター.COMを運営する株式会社ヤマウラでは、制御盤の設計・製作から監視システムの構築、電気工事、アフターサービスまで丸ごとお任せいただけます。「この設備に遠隔監視を後付けできるか知りたい」「まずは1台から試したい」といったご相談も歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

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