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2023/04/17
大雨によりダムや堰の水位が一定以上に達すると、溜まっていた流水の放流を行うことがあります。その際に注意しなければいけないのが、放流により影響を受ける可能性がある人々への周知。
本記事では、その際に活躍する放流警報装置システムについて詳しくご説明します。
放流警報装置システムは、ダム・堰から放流する際、河川下流の入河者や住民に対して、サイレンの吹鳴やスピーカー放送を行い、注意喚起を促すシステムです。
放流警報装置システムによる警報によって、下流側に住む人々や工場などに対して、あらかじめ危険を知らせることができます。ダムや堰の放流は、水量が極めて多くなるため特に注意が必要です。
放流警報装置システムは、特定の条件が満たされた場合に警報が発されるように設計されています。例えば、水位が一定の高さに達したときや気象庁から大雨・洪水警報が発出された際などがあります。これはシーケンス制御の一つ、「条件制御」にあたります。
>>【技術コラム】PLC(シーケンサ)とは?わかりやすく解説
警報システムはもちろん正確に作動することが重要ですが、同時に、誤った警報を発することがないということも重要です。誤った警報が出ると、「オオカミ少年」ではないですが、住民や工場の不必要な避難を促すことになり混乱を招く恐れがあります。適切なシステム運用のために、設置場所や検知方法を慎重に検討する必要があります。
また最近では、放流警報装置システムをネットワーク化するニーズが高まっています。
放流警報装置システムをネットワーク化することにより、遠隔地からの監視・制御を可能にしたり、IoT技術を活用することで水位や天候などの情報をリアルタイムで収集することで管理を効率化したり、より高精度且つ高効率な放流警報を行うことができるようになります。
>>【技術コラム】機側操作盤とは?制御盤との違いから、設計ポイントまで
放流警報装置システムは、検知システムと制御・操作システムという概ね2つのシステムから構成されています。
代表的な3種類の検知システムをご紹介します。
1つ目はレーダー式で、水量や流水速度、水位を検知することができます。主に、センサが設置できない場所で採用されます。
2つ目は水位センサー方式で、センサーを使用して水位を測定します。この方式では、水位が一定以上に達すると自動的に警報を発します。
3つ目は映像解析方式で、カメラを通してダム管理所から遠隔監視することができます。この方式は、ダム管理所にいながらにしてリアルタイムに現場の様子を監視することができるため、障害発生時に迅速に対処することができます。ただし、風雨があまりにも強くカメラが機能しない可能性もあるため、注意が必要です。
制御・操作システムは、自動制御と手動操作の2つに分けられます。
自動制御式は、センサーやデータを使用して自動的に警報を発出することができます。手動と比較し、より迅速な対策を講じることができます。
手動操作式は、文字通り手動でシステムを操作する方式です。監視員が異常を確認したら、手動で制御・操作を行うため、臨機応変な対応が可能です。
当サイトを運営する株式会社ヤマウラが、水力発電所向けに構築した放流警報装置システムの事例をご紹介します。
こちらは、屋外に設置する放流警報装置です。
発電機盤、水槽水位計等の装置からの信号を受信して、ダム放流、発電放流を対象として警報局の吹鳴を制御する盤であり、PLCを利用しています。
これらの他にも、PLCを活用した制御機器は多数ございます。
当サイトを運営する株式会社ヤマウラでは、これまでに電力会社様を始めとした、日本全国のダム設備へ高い信頼性を求められるダム制御設備を長年納入し、日本のインフラ基盤を支えてきました。このダム制御設備で培った技術をベースに、ヤマウラは日本全国の水処理システム設備の制御ソフト設計や水処理システムに関するコンサル業務を行っております。
また当社では、水処理システムにとどまらず、工場の生産設備を中心とした製造現場においても、PLC等を使用した最適な制御システムのご提案も行っております。日本のインフラを支えるシステムをベースとした信頼性と安全性の高い当社の制御システム設計には、様々なお客様から日々お問い合わせをいただいています。
水力発電所向けの放流警報装置にお困りの方は、「制御・監視エンジニアリングセンター.COM」を運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!
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