総合監視システム、制御ネットワークの設計構築、各種制御設備の設計・製作のことならお任せください。機械設計と電気設計、どちらも対応いたします。
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2024/11/21
水門は洪水防止や水資源管理の要ですが、老朽化や人員不足、気候変動への迅速な対応が課題となっています。手動操作に依存する従来の管理では、現場の負担が大きく、災害時の対応が遅れる可能性があります。そこで注目されるのが、水門の電動化やIoT技術を活用した自動化、遠隔操作、監視を実現する水門管理システムの導入です。これらの技術により、操作負担の軽減、迅速な対応、コスト削減が実現します。
本記事では、水門の概要から種類、水門管理システムのニーズが高まっている背景、導入におけるポイント、実際の導入事例もご紹介いたします。
水門は、高潮や水害などのトラブルが発生した際、門を閉じることで、内水域の水位上昇を防ぐ役割を持ちます。
水門には、逆流防止水門(洪水時、支川への流入を防ぐ)や防潮水門(河川への海水の侵入を防ぐ)などといった種類があり、基本的には流水を制御するための構造物のうち、河川や運河、用水路、湖沼、貯水池、港湾などで河川堤防を分断する形で設けられています。 小さいサイズの水門については、農業用水路に使用される水門ゲートや、用水路用の水門もあります。
また水門は、主に下記の構造で成り立っています。
ただし、水門を設計する際は、それぞれの構造部に必要な機能と、水門ゲート全体の安定性のバランスを取った構造にしなければいけません。その他にも水門ゲートを開閉する操作性や、外観の景観、設置先の環境、さらには水位上昇を防止する経済性等も含めて、総合的に最適化された設計が必要となるため、水門の設計は非常に難易度が高いと言えます。
>>水門とは?構造から仕組み、設計・製作のポイントまで徹底解説!
水門ゲートには、目的や用途によって、以下のような数多くの種類が存在します。
その中でも、日本で設置されている水門の多くは、ローラーゲートです。ローラーゲートは、鋼鉄などでできた開閉用ゲートの板に、ローラを取り付けたものです。スピンドルやワイヤードラムを使用して、門を垂直に持ち上げて上下に開閉します。ローラーを付けることで、水門の水圧による開閉抵抗を軽減させ、大きな水圧がかかる大規模な水門にも利用できるほか、構造上止水が容易で信頼性が高いため河川構造物ではよく用いられています。
このように水門のゲートにはいくつか種類がありますが、それに応じてゲートの開閉装置にも種類があります。当社で実際に製作実績があるゲート開閉装置の種類としては、下記のような種類が挙げられます。
・スライドゲート式
・ローラーゲート式
・ワイヤーロープウインチ式
>>水門ゲートを開閉する仕組みと構造とは?水門設計・製造メーカーが徹底解説!
水門の遠隔操作と監視のニーズは増加しています。これは、気候変動による異常気象、操作員の不足、施設の老朽化といった課題が背景にあります。こうした問題に対応するために、遠隔操作や監視技術を活用することで、水門管理の効率化、安全性の向上が図れます。
近年、豪雨や台風などの極端な気象現象が増加し、河川の水位変動が急激に発生するケースが多くなっています。このような状況に対応するため、リアルタイムで河川状況を把握し、水門の操作を迅速に行うことが重要です。そこで、水門に遠隔監視と遠隔操作が可能なシステムを導入することで、現場に出向くことなく迅速な対応が可能になり、災害リスクを大幅に軽減できます。
水門管理には現地での巡回や点検が欠かせませんが、巡回点検には多くの人的リソースと時間が必要です。特に地方部や遠隔地に位置する水門では、少子高齢化によって人手不足が深刻であり、限られた人員で複数の水門を効率的に管理する必要があります。
そのため、遠隔監視技術の導入によって、管理拠点から複数の水門を一括して監視できるようになり、現地巡回の頻度を減らすことでコスト削減と効率化が実現できます。
日本全国で水門の老朽化が進んでおり、維持管理や補修が必要です。老朽化した水門では、予期しない故障や損傷のリスクが高まるため、異常の早期発見と迅速な対処が求められます。そこで遠隔監視システムを導入することで、設備の異常動作や水位変動などを即座に検知し、アラートを発信することで、適切なタイミングで保全作業が可能になります。これにより、水門周辺施設の安全性と信頼性が確保され、洪水などのトラブルを未然に防ぐことができます。
当サイトをを運営する株式会社ヤマウラ エンジニアリング事業部では、水門やゲート開閉装置の設計から製造、現場工事、さらには水門の遠隔操作や監視をする水門管理システムの構築まで、すべて対応しております。
ヤマウラだからこその、水門設備の製造において重要なポイントは、およそ下記のとおりです。
当社では、ただ依頼いただいた通りに水門を作ることはありません。先述の通り、水門ゲートの機能性や安定性、操作性、美観性、環境性、経済性といった様々な視点で製作判断をしたうえで、最適な水門の設計提案をさせていただきます。
また水門の種類や使用用途、設置環境によっては、ゲートを開閉する際に40tもの開閉荷重がかかる場合もあります。しかし当社では、大きな力が作用するインフラ設備の設計・製造実績も多数ございますので、機能面に関するあらゆるお困りごとを解消することができます。
水門設備の製造体制についても、水門開閉用のスピンドルやゲート、巻き上げワイヤードラム、周辺部の構成部品まで、すべて社内で製作・調達いたします。水門の設置工事まで行いますが、一体物で輸送が困難なサイズもございますので、その際は水門の分割設計提案から、現地での組立設置工事まで、ゼロから最後まで対応いたいします。
ヤマウラでは、水門の定期メンテナンスや、万が一水害が発生した際の緊急時トラブル対応や点検も実施いたします。設計・製造・据付だけでなく、アフターメンテナンスとしてのサービスも展開しております。
そしてヤマウラだからこその、水門管理システムの構築において重要なポイントは、およそ下記のとおりです。
当社にご相談が多いのが、手動開閉装置の電動化です。水門は手動によるゲート開閉装置が多くを占めていますが、その場で開閉しなければならず、また大きな力をかける必要もあるため、対応可能な作業員も限られてしまいます。しかし水門ゲートの開閉を電動化することで、誰でも容易に、かつ遠隔操作で水門ゲートを開閉できるようになります。
また、IoT技術やセンサーを活用し、水位や流量のデータをリアルタイムで収集することで、水門の自動開閉が実現します。これにより、気象条件や河川の状態に応じた的確な対応が可能となり、管理者の負担が軽減されるだけでなく、災害時の安全性も向上します。
各種センサーと連動することで初めて実現できるのが、水門の自動開閉です。特に警報時に災害リスクを抑えるために、緊急地震速報のような全国瞬時警報システム(J-ALERT)などの情報をトリガーとした連動自動制御や、地震計測装置との連動による自動閉鎖制御について、当社でも実際に対応しておりますがご依頼が多くなっています。地方の場合では、消防団の方が水門の現地操作をしたいというご要望も過去にはございましたが、現在は二次災害を考慮して遠隔操作をしたいというご相談の方が多くなっています。また災害時の停電にも対応するため、UPS(無停電電源装置)との連動についても当社では対応しております。各種通信については、NTT回線、光回線、無線などに対応しており、お客様のご要望に応じてQCDバランスが整った通信方法のご提案もさせていただきます。
タブレット端末やPCを利用した遠隔操作は、特に災害時や緊急時において有効です。ヤマウラでは、自社開発の遠隔監視カメラシステム「Caメリー」を導入することで、現地の状況をリアルタイムで把握でき、迅速な判断と操作が可能です。このシステムは、遠隔地から複数の水門を一括管理することも可能で、コスト削減にも寄与します。
そして水門については、完全な新設工事は多くなく、既存の水門設備を活かした改修工事案件が多くなっています。当社ではIoT技術を活用して遠隔操作を可能にする工事を既設水門に施すことで、既存水門を最大限に活用しつつ、短期間での水門管理システムの導入を行っております。
また当社は、水門以外の各種インフラ設備に関する実績・ノウハウを多数有しております。水門管理システムの構築においては、各種規定やガイドラインに基づき、信頼性の高いシステムを設計することが重要ですが、ヤマウラでは安全で効率的な水門運用を行っていただけるように、様々な角度からご提案させていただきます。システム自体のセキュリティについて、システム機器の二重化や回線冗長化、パスワード管理等の設定についても、細かくサポートさせていただいております。
このようにヤマウラでは、水門ゲートの設計・製造メーカーとして、様々なノウハウと多数の実績を兼ね備えております。当社は機械設計と電気設計を、ハードとソフトのどちらの設計技術をも組み合わせることで、ヤマウラでしかできない水門の製作が可能になるのです。特に当社でご相談が多いのは、2~6mクラスの特装車による搬送が必要なサイズで、重量も10tクラス、手動水門への後付けロボット取り付け等の別方法では遠隔操作をすることができない中~大型サイズの鋼製水門に関する、製造・据付・管理システム構築・メンテナンスのワンストップサービスです。また、他社と比較して迅速さとコスト面の2軸から、特にお客様より評価をいただいております。
当サイトを運営する株式会社ヤマウラが、実際に構築した水門の遠隔操作・監視に関連した制御監視システム・施工事例をご紹介します。
こちらは農業用水を管理されている土地改良区様へ納入した遠隔操作盤による遠隔操作化工事事例です。水路を管理されている監視人の方が、台風や洪水時に水路付近まで行き水門を操作しなければならず、過酷で大変危険な作業を実施されていらっしゃいました。そこでお客様からなんとかならないかとご相談を受け、当社から水門の遠隔操作化をご提案いたしました。屋外仕様の遠隔操作盤を設置し、屋内からでも遠隔操作できるように工事を行った結果、安全で快適な水門操作を実現することができました。
こちらは、ダムや河川の水門を遠隔統合管理するための操作卓です。
操作部は、ハードスイッチまたはタッチパネルを使用しており、表示部にはPCモニタを設置して水門や河川の状況を表示したり、各種データ(水位、開度、雨量 等)を表示しています。
湖出口から流れ出る水を制御するための、水門を操作する機側操作盤の更新工事中の写真になります。本工事では1号ゲートから3号ゲートまでの3門分の機側操作盤の取替を実施しました。
こちらは、ダム用水門設備機側盤です。ダム用水門設備機側盤は鋼板製屋外閉鎖自立型のため、屋外でも問題なく設置することができます。
PLCを使用した機側操作盤の設計製作についても対応しており、当社が既設設備の現地調査を実施した上で装置の提案を行っております。
当サイトを運営する株式会社ヤマウラでは、これまでに電力会社様を始めとした、日本全国のダム設備へ高い信頼性を求められるダム制御設備を長年納入し、日本のインフラ基盤を支えてきました。このダム制御設備で培った技術をベースに、ヤマウラは日本全国の水処理システム設備の制御ソフト設計や水処理システムに関するコンサル業務を行っております。
また当社では、水処理システムにとどまらず、工場の生産設備を中心とした製造現場においても、PLC等を使用した最適な制御システムのご提案も行っております。日本のインフラを支えるシステムをベースとした信頼性と安全性の高い当社の制御システム設計には、様々なお客様から日々お問い合わせをいただいています。
水門管理システムにお困りの方は、「制御・監視エンジニアリングセンター.COM」を運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!
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